大量アクセス時の負荷試験対策と実践: K6・TAURUSを用いた検証

0

2025年03月15日 9:49

目次

  1. はじめに
  2. 負荷試験の必要性
  3. 流入トラフィックの計算
  4. K6とTAURUSによる負荷試験
  5. アプリケーション側の負荷試験
  6. データベース側の負荷試験
  7. 負荷試験の結果分析と対策
  8. まとめ

1. はじめに

Webサービスはテレビ放送やリリース日・公開日などに大量のアクセスを受けることがあります。これに耐えられないと、サービスダウンが発生し、機会損失につながる可能性があります。本記事では、K6とTAURUSを用いた負荷試験の方法を詳しく解説し、実際の本番環境に近い環境でどのように検証を行うかを説明します。

2. 負荷試験の必要性

負荷試験は、想定される最大トラフィックに耐えられるかを検証するために必要です。具体的には、以下の点を確認します。

  • アプリケーションの応答速度
  • サーバーのCPUやメモリ使用率
  • データベースの同時接続数の増加による影響
  • スケーラビリティの限界

3. 流入トラフィックの計算

負荷試験を実施する前に、実際にどれくらいのユーザーが流入するのかを計算する必要があります。例えば、

  • 過去のアクセスデータを基に予測
  • メディア露出やキャンペーンによる流入の想定
  • 競合サービスのトラフィックデータ分析

計算例:

  • テレビ放送直後に10万人がアクセス
  • 1分間にピーク時30,000リクエスト
  • 1ユーザーあたり平均3リクエスト

この数値をもとに、負荷試験のシナリオを作成します。

4. K6とTAURUSによる負荷試験

K6とTAURUSは、どちらも強力な負荷試験ツールで、それぞれ異なる特徴を持っています。

K6の特徴:

  • シンプルなJavaScriptスクリプトで負荷テストを記述
  • 軽量かつスケーラブル
  • クラウド環境でも実行可能

TAURUSの特徴:

  • JMeterやGatlingと統合可能
  • YAMLベースでシンプルな設定
  • 複数の負荷テストツールと組み合わせ可能

5. アプリケーション側の負荷試験

負荷試験の実施方法:

  • ターゲット: ECS (Elastic Container Service)
  • リクエスト: 高トラフィックをシミュレート
  • K6のスクリプト例:

img

6. データベース側の負荷試験

データベースにはアプリケーション経由で負荷をかけます。ポイントは以下の通りです。

  • ターゲット: RDS (Relational Database Service)
  • クエリの最適化: インデックスの見直し、キャッシュの適用
  • 同時接続数の制御: RDSの最小接続数を増加

設定変更:

img

7. 負荷試験の結果分析と対策

結果の指標:

  • CPU使用率: 100%に張り付かないことが理想
  • 応答速度: サービスがスムーズに動作するか
  • エラー率: リクエストがタイムアウトしないか

対策:

  • ECSのタスク数を増加
  • RDSの同時接続数の調整
  • キャッシュの活用 (Redis, Memcached)

8. まとめ

本記事では、K6とTAURUSを用いた負荷試験の手法を解説しました。負荷試験を通じて、アプリケーションとデータベースのボトルネックを明確にし、最適化を行うことで、安定したサービス提供が可能となります。事前にしっかりと準備し、スケーラビリティを考慮した運用を行いましょう。

ISSUE Enterpriseでは負荷試験も実施できます。

TV放送やリリースなど大規模な流入が見込まれる場合の
負荷テストを実施させていただきます。

ご相談は以下からお申し込みください。

[cv:issue_enterprise]

# 負荷試験
0

診断を受けるとあなたの現在の業務委託単価を算出します。今後副業やフリーランスで単価を交渉する際の参考になります。また次の単価レンジに到達するためのヒントも確認できます。