活躍するフルスタックエンジニアになるための資格やスキル|なるための方法を解説
2024年03月14日 7:49
幅広い分野においてWebシステムやアプリケーションなどが利用されるようになった現代においては、様々な種類のエンジニアというのが存在しています。1つのウェブシステムやアプリケーションを開発するにあたっても、基本的には複数のエンジニアが分業して協力するのが一般的です。
もっとも複数の領域に渡ってスキルや知識を身につけているフルスタックエンジニアと呼ばれる存在であれば、複数のエンジニアが分業して協力しなければならない業務に関しても一人で対応することができます。このように複数のエンジニアを必要としないフルスタックエンジニアの存在は、多くの企業がWebシステムやアプリケーションの開発を行うようになった現代において注目されている存在です。
今回の記事では、活躍するフルスタックエンジニアに求められる資格やスキル、なるための方法や気になる年収相場について解説していきます。特に次のようなポイントについて気になっている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
そもそもフルスタックエンジニアとはどのような存在なのでしょうか?ここではフルスタックエンジニアの定義や求められるようになった背景、なるためにはどうすればいいのか詳しく解説していきます。
前提としてフルスタックエンジニアという言葉には、明確な定義というものはありません。基本的にはシステム開発やアプリケーションの開発において、必要となる複数の技術領域に関するスキルや知識を有しており、プロジェクトにおいて複数の役割を担うことのできるエンジニアのことを指します。
Web開発やアプリケーションの開発においては、フロントエンドやバックエンド、サーバーやインフラなど複数のエンジニアが担当者となって業務を行うのが一般的です。また要件定義や設計などの上流工程、システムのテストや開発などの下流工程ごとに担当が分かれるというケースも多いです。
フルスタックエンジニアとは、これらのすべての領域や作業工程において一人で対応することのできるエンジニアとなります。インフラやソフトウェアに関する知識とスキル、リリース後の運用保守やデブオプスに至るまで、各プロセスへの知識やプロジェクトを推進するスキルを持っていることが理想と言えるでしょう。
幅広い範囲で柔軟に業務に対応することができることから、どのような組織や現場においても活躍できるエンジニアと言えます。
Webシステムやアプリケーションの開発においては、要件定義から開発・運用・保守まで様々な分野を専門とするエンジニアが必要です。基本的にはデータベースエンジニアやネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、システムエンジニアなどが分業で開発を行います。
もしくはフロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアなど、プロジェクトによって複数のエンジニアが参加するのが一般的です。しかし、プロジェクトごとに複数のエンジニアが分業で開発を行うと人的コストや時間的なコストが必要となってしまいます。
さらに近年では開発に関するやり方の複雑化やクラウドサービスの登場などによって、エンジニアが対応しなければならない業務も増えました。Webサービスやアプリケーションの提供を行うにあたっては、迅速に開発を進めた上で、継続的にアップデートなどを行ってサービスの品質を高めるのが一般的です。
フルスタックエンジニアは、複数の技術領域を担当することができるため、人的コストや時間的なコストなども抑えることができ、開発も迅速に進められることから多くの企業が求める人材になりました。
またクラウドサービスの登場や普及というのもフルスタックエンジニアが求められるようになった背景の一つです。クラウドサービスを活用することによってインフラを用意しやすくなり、少人数で完結させることのできるプロジェクトも増えました。こういった正気をかつ少人数で完結させることのできるプロジェクトに関しても、複数の領域にまたがって業務を対応できるフルスタックエンジニアが求められています。
このように複数の領域にわたって業務をこなすことのできるフルスタックエンジニアは、現代のWebシステムやアプリケーションの開発現場において重宝される存在になっています。もっとも、多くの企業や市場が求めているフルスタックエンジニアになるためには優れたスキルと知識が必要です。
また複数の領域にわたっての業務経験を持っている必要もあります。常に上流工程に携わる機会も多いので、判断能力やクライアントが求めるものを汲み取る力、それを言語化するコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力なども必要です.
##フルスタックエンジニアの仕事内容
フルスタックエンジニアの仕事内容は主に次の5つです。
【フルスタックエンジニアの仕事内容と扱うプログラミング言語の種類】
仕事内容 | 業務内容とプログラミング言語の種類 |
---|---|
フロントエンドの開発 | ・コーディングや実装業務 ・HTML、CSS、JavaScript |
バックエンドの開発 | ・システム設計やプログラミング ・Java、PHP、Ruby、Python、GO、その他フレームワークなどプロジェクトに応じて異なる |
アプリケーションの開発 | アプリケーションシステムの設計やプログラミング ・Java、Kotlin、Swift、C#、その他フレームワークなどプロジェクトに応じて異なる |
インフラの構築や保守 | ・サーバーの設計・運用、ネットワークの構築、OSやミドルウェアのバージョンアップやバックアップ、トラブル発生時の復旧作業など |
Webのデザイン | ・デザインやコーディングの修正 HTML、CSS、JavaScript |
それぞれの仕事内容について以下で詳しく解説していきます。
アプリケーションやWebサービスにおいて、ユーザーが目に触れたり触ったりする部分のことをフロントエンドと言います。例えば、あるアプリケーションで文字を入力する場面だったり、クリックして操作を行ったりする部分がフロントエンドの領域です。
フルスタックエンジニアは、フロントエンドの開発現場において、Webデザイナーが作成したデザインに基づいてプログラミングやコーディング作業を行います。基本的にフロントエンドの開発業務では、HTMLやCSS、JavaScriptなどを利用するのが一般的です。
バックエンドとは、アプリケーションやWebサービスにおいて、ユーザーのメニューは触れない裏側のシステム部分を指しています。フルスタックエンジニアやバックエンドエンジニアが担当する開発においては、例えばクレジットカードの決済機能の搭載だったり、商品の発送管理だったりなど、ユーザーからは見えないものの存在しなければアプリケーションやWebサービスが成り立たない重要なものばかりです。
バックエンドの開発業務においては、Java、PHP、Ruby、Python、GO、その他フレームワークなどプロジェクトの規模や内容によって利用するプログラミング言語が異なります。
フルスタックエンジニアは、アプリエンジニアと同様にスマートフォンのアプリやWebアプリなどの開発を行うこともあります。スマートフォンのアプリはOSと連携して動作します。一方でWebアプリの場合ウェブサイトと連携して動作します。
アプリを開発する際に使用するプログラミング言語としては、ava、Kotlin、Swift、C#、その他フレームワークなどがあげられますが、プロジェクトの規模や内容によってどれを使用するかは異なります。
アプリと一言で言っても様々な種類のものがあり、AndroidやIOSなど使用する物の種類によって開発のやり方も異なるのが通常です。基本的にフルスタックエンジニアとして働く人の場合、OSなどが異なったとしても対応できるスキルがあり、どちらでも起動できる連動性や親和性の高いアプリケーションを開発することができます。
フルスタックエンジニアは、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアなどが行うインフラの構築や保守に関する仕事も行うことがあります。
具体的な業務内容としてはサーバーの設計や運用、ネットワークの構築、ミドルウェアのバージョンアップやバックアップ、トラブルが発生した時の復旧業務などです。一般的にはサーバーエンジニアやインフラエンジニアなどが担当する領域ですが、複数の領域に関して優れた知識やスキルを有しているフルスタックエンジニアの場合、何か問題が起きたとしても原因の究明と復旧作業を並行して行うことができるというメリットがあります。
そのため専門的なサーバーエンジニアやインフラエンジニアだけではなく、フルスタックエンジニアを好んで採用する企業も多いです。また、近年ではクラウドサービスを利用する企業も増えているので、クラウドに関する知識にも対応できるようなエンジニアが求められています。
Webデザイン
フルスタックエンジニアの業務としてはあまり多くないですが、Webデザイナーが担当するであろうデザイン業務などの一部に関しても行う場合があります。
Webデザイン業務を行う場合、デザインの修正やコーディングに必要なCSS・JavaScript・HTMLなどのプログラミング言語を使用することが多いです
ここまで紹介してきたフルスタックエンジニアの仕事内容はあくまでも一部であり、他にもサーバーやインフラなどに関連した業務を行う場合があります。共通しているのは複数の領域にわたって業務を行えるということが必要であり、そのためには優れたスキルや知識を有していなければいけません。
フルスタックエンジニアに向いている人の特徴は以下の3つです。
それぞれの特徴について以下で詳しく見ていきましょう。
フルスタックエンジニアは、通常エンジニアが複数人に分かれて行う業務を一人で行う存在です。そのため1つのことを極め抜く専門家というよりは、幅広い領域をカバーするジェネラリストに近い職種と言えるでしょう。
そのため、幅広い分野にわたって興味や関心を持つことのできる好奇心旺盛な人はフルスタックエンジニアに向いていると言えます。
フルスタックエンジニアは、複数の領域にわたって知識やスキルを有している貴重な存在であるため、多くのプロジェクトで企画の段階からシステムの運用まで一貫して携わるということが多いです。
そのため成果物が出来上がった際には、成果物が出来上がった際には特にやりがいを感じられる職種と言えるでしょう。自分自身で何か新しいものを作り出すのが好きであったり、自分で作ったものを他の人が使っていることに喜びを感じたりする人に適している職種と言えます。
一見するとエンジニアにはあまり必要のないもののように思えるコミュニケーション能力ですが、優れたエンジニアになるためには必要不可欠のスキルです。クライアントとのやり取りやチームのディレクションを行うことが多いことから、フルスタックエンジニアとして活躍するためにはコミュニケーション能力が必要不可欠となります。
ここではフルスタックエンジニアにこれからなりたい人、もしくはより活躍したい人におすすめの資格について紹介していきます。
ITパスポートとは、国家試験である情報処理技術者試験のうちの1つです。試験では、ITに関係する基礎的な知識を網羅的に取得できているかが問われます。
IT系の国家試験では入門レベルに相当するもので、ソフトウェアエンジニアとして働いている人だけではなく、幅広い職種の社会人や学生が受験している人気の資格です。ITパスポートを取得することで、ITに関する基礎的な知識があることを客観的に証明できます。
また仕事をする上で最低限必要な知識も身につけることができるので、まずはIT関連の必要な知識を身につけたいという人におすすめの資格です。
なお、ITパスポート試験の合格率は平均すると毎年50%前後で、2人に1人の割合で合格しています。数多くある国家試験の中では高い合格率であり、難易度はそこまで難しくないと言えるでしょう。最年少の合格者は7歳の小学1年生で、合格者の平均年齢は約29.6歳と発表されています。
参考:iパスとは
基本情報技術者試験とは、IT業界で働く上で必要な基本的な知識や技能が問われる「経済産業省認定」の国家資格です。基本情報技術者試験の学習を通して、日本で求められるデジタル人材に必要な知識や技能はおおよそ身につけることができます。
情報技術系の国家資格の中でも、基本情報技術者試験は「デジタル人材の登竜門」とも言われており、IT関連の資格取得を志す人はまずこの資格からはじめるという人も多いです。2023年からは通年形式で試験が行われるようになり、忙しい人でも好きなタイミングで試験を受けられるようになりました。
経済産業省の発表によると、基本情報技術者試験の合格率は約25.4%前後です。毎年約10万人前後の受験者がおり、約4人に1人が合格している計算となります。もっとも、近年の試験では合格率が約40%近くまで伸びており、他の情報系国家資格と比べても難易度は低めと言えるでしょう。
参考:基本情報技術者試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
システムアーキテクト試験とは、IPAが実施している国家試験の一つです。そもそもシステムアーキテクトとは、クライアントやコンサルタントが描いているビジネスモデルを実現させるために、どのようなシステムを構成していくか考える役割を担っている職種です。
具体的には、エンジニアが設計するためのルール作りや、システムの基本設計を考えるところから担当します。そのため、全体を見通したシステム設計する高度なスキルが必要不可欠です。
システムアーキテクト試験の合格率は、平均で約15%前後となっており、他の国家試験と比べても難易度の高い試験と言えるでしょう。
参考:システムアーキテクト試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
ITストラテジスト試験は、IPAが実施している国家試験の一つです。情報処理技術者試験の中でも最難関の資格と言われており、試験では情報処理に関する知識や技能が問われます。
合格率は平均すると約15%前後となっており、受験者数が約4500人前後であるのに対して合格者数は600人から700人程度です。一般的に難しいと言われている司法試験の合格率が約30%前後、公認会計士試験の合格率が約10%前後であることを踏まえると、ITストラテジスト試験は難関資格と言えるでしょう。
参考:ITストラテジスト試験|IPA独立行政法人情報処理推進機構
ウェブ解析とは、マーケティング知識を習得して、Webマーケティング業務全般の効率的な遂行を目指す資格です。用語の学習や、データ活用による課題の発見、解決方法に関する問題が、試験では出題されます。
一見するとバックエンドエンジニアには関係ないようにも思える資格ですが、Webマーケターなどに転職を考えている人やキャリアチェンジを考えている人にはおすすめの資格です。
ウェブ解析士の難易度は約94%であり、情報技術系の資格の中でも比較的取得しやすい難易度と言えるでしょう。
参考:【ウェブ解析士資格】受講者数・受験者数・合格者数
プロジェクトマネージャー試験とは、プロジェクトの責任者として現場を統括・計画・実行・管理する人を対象とした試験で、情報処理推進機構が実施している国家資格の一つです。
Web解析士と同様にバックエンドエンジニアには関係ないようにも見える資格ですが、こちらもプロジェクトマネージャーなどにキャリアチェンジやキャリアアップを考えている人にとっては、将来的に役立つ資格といえるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験とは、年々増加するサイバー攻撃に備えるために、情報セキュリティを担う人材を養成するために創設された資格です。情報関連の資格では唯一の「士業」であり、他の資格と比べると試験で問われる内容は非常に難しくなっているのが特徴です。
応用情報技術者試験に合格した人、または合格レベルにある人の受験を想定した内容になっており、情報関連の試験を初めて受験する人にとってはかなり難易度が高いと言えるでしょう。
また、試験内容は一部が記述式となっているのも、他の試験と比べて難易度が高くなっている理由の一つです。合格率は毎年約20%前後を推移していますが、受験者層のレベルも高いため合格するためにはかなりの勉強量が必要となります。
これからフルスタックエンジニアになりたいと考えている場合、次の5つのポイントを意識すると良いでしょう。
それぞれのポイントについて以下で詳しく解説していきます。
フルスタックエンジニアは一人で複数のエンジニアが行う業務をこなさなければなりません。複数のエンジニアが行う仕事を一人で行えるようになるためには、初めから専門分野を一つに絞るのではなく、自分が対応できる領域というのを広げていく必要があります。
そのためには、自分がまず初めて行った職務のスキルアップを常に行い、そこから専門性を高めていく必要があるでしょう。1つの職務について専門性を高めた後は、できる限り関連性のある職種のスキルや知識を身につけていくのがおすすめです。
例えば、フロントエンジニアとしてキャリアを歩み始めたという人の場合、まずはフロントエンジニアとして一人前になることから始めて、ある程度業務に慣れてきたら関連するバックエンドに関する知識やスキルを身につけると良いでしょう。
このような流れで業務を行うことによって、過去に培った知識や業務での経験を活かしつつ、関連した業務であるため新しい分野に関しても比較的スムーズに仕事を覚えることができます。
IT業界は人手不足とよく言われていますが、その時々によってニーズの高いスキルというのは異なります。自分自身が働いている職種や業界において流行しているスキルや今後の流れがどうなるかというのを把握するために、常に業界全体を俯瞰的に見るようにしましょう。
また業界に関する最新の情報や技術、動向などについても常にアンテナを張って情報を得る必要があります。常に業界の最新動向に関して情報を得るようにしていると、自分が現在ついている職種だけではなく、他の職種に必要なスキルや身につけるべきポジションなども見えてくるでしょう。
自分自身の知識やスキルがアップデートされることによって、自分が持つビジョンも変わってくるので業界や自分が行っている業務の見え方というのも必然的に変化するのでそれに合わせてエンジニアとしての将来像を持つことも重要です。
下流工程とは、上流工程で作成された要件定義書や設計書などに基づいてWebシステムやアプリケーションなどを開発する工程です。様々なシステム開発やアプリケーションの開発に携わりながら、開発をどのように進めるのか、トラブルはどのように対処するのかに関する経験を積んでいくと良いでしょう。
また下流工程に慣れてきたら、上流工程においてどのような意図で要件定義書や設計書が作成されているのか、仮に他の方法や手段を選んだらどうなるのかなどについて考える癖をつけるとよりエンジニアとして成長することが可能です。
上流工程では、エンジニアとしてシステム開発やアプリケーション開発の業務を行うだけではなく、その知識やスキルを活かして開発するための人材や納期、費用などについて複合的に考える業務を行わなければいけません。
このような業務をこなせるようになると、フルスタックエンジニアとしてレベルも上がり転職や就職などの際に多くの企業から求められる人材になることができます。
ある程度複数の領域にわたってスキルや経験を身につけることができたら、自分がどのようなエンジニアになるのか方向性を決めましょう。特定の分野に秀でたスペシャリストになるのか、それとも複数の領域を扱える存在としてコンサルタントへ転身するのかなど、自分がどのような働き方をするのか決める段階と言えます。
今後の需要や将来性などを考えると、クラウド技術や仮想技術、AIなどに関する知識やスキルを身につけるのも良いかもしれません。自分がどのようなエンジニアになるのか方向性を決めたら、それに関連した分野の仕事を中心に行っていくのが良いでしょう。
例えば、クラウドソーシングを利用してそれに関連した案件を積極的に受注したり、変色エージェントに登録して希望する分野の案件を中心に仕事を回してもらったりなどするのも選択肢の一つです。
フルスタックエンジニアのキャリアパスとしては、次の2つの種類が考えられます。
それぞれのキャリアパスについて以下で詳しく見ていきましょう。
フルスタックエンジニアになるためには、フロントエンドやバックエンド、サーバーやインフラなど複数の領域にわたっての知識やスキルが必要となります。フルスタックエンジニアとして働くことによって、1つの分野だけではなく複数の領域にわたって俯瞰的な視野で見ることのできる力を身につけることができるでしょう。
複数の領域にわたって俯瞰的な視野で見ることのできる力を有しているエンジニアは、開発をリードするテックリードやシステム開発のプロジェクト責任者であるプロジェクトマネージャー、社内エンジニアの技術面の人事や育成などを行うエンジニアリングマネージャーなど、マネジメント関連のキャリアパスが候補として上がってきます。
一般的にこれらの職種はエンジニアの上位食にあたるので、フルスタックエンジニアとしてある程度の知識と経験を身につけたらキャリアアップとして上記のような職種につくことも可能です。
マネジメントする側に回るだけではなく、よりフルスタックエンジニアとしてのスキルを極めて専門家になるということもキャリアパスとして考えられる選択肢の一つです。何度か触れたように、業界で流行するスキルや知識というのは移り変わっていくので、エンジニアとして常に最新のものを学ぶことにより高収入を得ることができます。
現在は需要のある職種として知られているフルスタックエンジニアですが、今後も将来性はあるのか、もしくは長く活躍することのできる仕事なのか気になるという方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、現在でも重要のあるフルスタックエンジニアですが、将来的にはより需要が高くなり長く活躍できる可能性の高い仕事だと言えます。例えば経済産業省が公表している基本統計調査データをもとに推計された「IT人材の供給動向の予測」では、日本において2030年までIT人材が不足することがほぼ確実であることが分かりました。
引用:経済産業省商務情報政策局情報処理振興課
経済産業省のこのデータによるとすでにit人材の供給は2019年をピークに減少している状況であり、2024年の段階ではすでに人材が不足している状況に陥っています。そのため特に希少価値の高いフルスタックエンジニアに関しては、人材不足であるのはもちろんのこと、現在だけではなく将来的にも重要な高い仕事と言っても良いでしょう。
エンジニアの人材不足が深刻化しつつある一方で需要は年々高まっています。他の業界と比較しても勢いのあるIT市場ですが、まだまだ世界的に成長を続けており需要が増加している状況です。現に、日本においても民間のIT市場規模は毎年成長していくことが予測されています。実際に国内のIT市場に関しては、右肩上がりの状況であることが矢野経済研究所の調査によってわかっています。
引用:国内企業のIT投資に関する調査を実施(2022年)(矢野経済研究所)
このように需要に対して供給が完全に追いついていない状況であり、普通のエンジニアであったとしても市場では価値のある存在になりつつあります。ましてや複数の領域にわたって業務を行うことのできるフルスタックエンジニアの場合、市場価値が高く多くの企業が求めている人材と言えるでしょう。
そのためフルスタックエンジニアの将来性は明るく、スキルや知識を身につければ今後長きにわたって活躍することができる職種と言えます。
今回はフルスタックエンジニアにおすすめの資格やなるための方法、向いている人の特徴や将来性について詳しく解説してきました。
フルスタックエンジニアとして働く上で資格は必要ありませんが、取得しておくことで自身のスキルや経験、知識を客観的に証明することができます。特にクライアントとのやり取りが多いフルスタックエンジニアの場合、自分自身の能力を客観的に証明できる資格を取得するのは業務を進める上でかなり役に立つと言えるでしょう。
これからフルスタックエンジニアになりたい、もしくはフルスタックエンジニアとしてより活躍したいと考えている人は今回の記事で紹介した資格を取得してみてはいかがでしょうか?
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