# Java VS Codeでデッドロックを検出するテスト

## 目次

1. 1-1 デッドロックとは？

2. 1-2 デッドロックの原因

3. 1-3 不可避デッドロック条件

4. 2-1 Visual Studio Codeのセットアップ

    - 2-1-1 Javaプラグインのインストール

    - 2-1-2 デバッグ環境の構築

5. 3-1 Javaでデッドロックを再現するサンプルコード

6. 3-2 デッドロックの検出方法

    - 3-2-1 スレッドダンプの取得

    - 3-2-2 Eclipse Memory Analyzerの使用

7. 4-1 デッドロック状況の可視化

8. 5-1 デッドロックを防ぐ方法

9. 6-1 まとめ

## 1-1 デッドロックとは？

デッドロックとは、2つ以上のスレッドが、お互いの保有するリソースを、相互に待ち続けることで、プログラムが停止してしまう状態を指します。これは特にマルチスレッド環境で発生する典型的な問題であり、リソース共有の不適切な管理の結果として生じます。

## 1-2 デッドロックの原因

デッドロックが発生する主な原因は次のとおりです。

- **リソース争奪**: スレッドがリソースを取得するために他のスレッドが解放するのを待っている。

- **不可逆的なリソース保持**: スレッドが取得したリソースを解放しない。

- **非順序的なリソース要求**: リソースの要求が一貫していない。

## 1-3 不可避デッドロック条件

デッドロックが発生するためには、次の4つの条件がすべて揃う必要があります。

- **相互排他**: リソースは排他的に使用される。

- **リソース保持と待ち**: あるリソースを保持しながら他のリソースを待つ。

- **先取不可**: 強制的にリソースを解放させることができない。

- **循環待ち**: スレッドが循環的にリソースを待つ。

## 2-1 Visual Studio Codeのセットアップ

VS Codeを用いてデッドロックを検出するためには、適切な環境を整える必要があります。

### 2-1-1 Javaプラグインのインストール

1. VS Codeを開き、Extensionsビュー（`Ctrl` + `Shift` + `X`）に移動します。

2. 「Java」と検索し、Extension Pack for Javaをインストールします。

### 2-1-2 デバッグ環境の構築

1. Javaデバッグ拡張機能をインストールします。

2. 作業ディレクトリに`.vscode`フォルダを作成し、その中に`launch.json`ファイルを配置し、次の設定を挿入します。

```json

{

  "version": "0.2.0",

  "configurations": [

    {

      "type": "java",

      "name": "Debug (Launch)",

      "request": "launch",

      "mainClass": "<YourMainClass>",

      "projectName": "<YourProjectName>"

    }

  ]

}

```

## 3-1 Javaでデッドロックを再現するサンプルコード

以下に、デッドロックを再現する簡単なJavaプログラムを示します。

```java

public class DeadlockDemo {

    private final Object lock1 = new Object();

    private final Object lock2 = new Object();

    public void method1() {

        synchronized(lock1) {

            System.out.println("Thread 1: Holding lock 1...");

            try { Thread.sleep(100); } catch (InterruptedException e) {}

            System.out.println("Thread 1: Waiting for lock 2...");

            synchronized(lock2) {

                System.out.println("Thread 1: Holding lock 1 & 2...");

            }

        }

    }

    public void method2() {

        synchronized(lock2) {

            System.out.println("Thread 2: Holding lock 2...");

            try { Thread.sleep(100); } catch (InterruptedException e) {}

            System.out.println("Thread 2: Waiting for lock 1...");

            synchronized(lock1) {

                System.out.println("Thread 2: Holding lock 1 & 2...");

            }

        }

    }

    public static void main(String[] args) {

        DeadlockDemo demo = new DeadlockDemo();

        Thread t1 = new Thread(new Runnable() {

            public void run() { demo.method1(); }

        });

        Thread t2 = new Thread(new Runnable() {

            public void run() { demo.method2(); }

        });

        t1.start();

        t2.start();

    }

}

```

上記のコードは単純なデッドロックを誘発します。`Thread 1`と`Thread 2`は、お互いが必要とするロックを保持し続けます。

## 3-2 デッドロックの検出方法

### 3-2-1 スレッドダンプの取得

デッドロック状況を分析するために、スレッドダンプを取得することが役立ちます。次のコマンドを使用してスレッドダンプを取得できます。

```bash

jstack <process_id>

```

### 3-2-2 Eclipse Memory Analyzerの使用

Eclipse Memory Analyzerは、スレッドダンプを解析し、デッドロックを視覚化するのに役立つツールです。

1. Eclipse Memory Analyzerをインストールします。

2. スレッドダンプファイルをインポートし、ヒープダンプを解析します。

3. デッドロックの存在を確認するための「Thread Overview」を利用します。

## 4-1 デッドロック状況の可視化

スレッドダンプツールを使用して、以下の図はデッドロックの現状を視覚化したものです。

```

+----------+     +----------+

|  Thread  | --> |  Thread  |

|    1     |     |    2     |

+----------+     +----------+

   ^                 |

   |                 v

+----------+     +----------+

|  Lock 2  |     |  Lock 1  |

+----------+     +----------+

```

## 5-1 デッドロックを防ぐ方法

デッドロックを回避するための戦略は以下の通りです。

1. **一貫したロックの順序**: すべてのスレッドが一貫した順序でロックを取得するように設計します。

2. **タイムアウトの設定**: ロックの取得にはタイムアウトを設定し、タイムアウトが経過した場合に処理を放棄します。

3. **細粒度なロック制御**: 大きなクリティカルセクションを避け、必要最低限の範囲でロックを使用します。

## 6-1 まとめ

デッドロックはスレッドプログラミングにおいて予期せぬ障害を引き起こす重大な問題ですが、適切なコード設計とデバッグ技術を用いることで、検出および回避が可能です。Visual Studio Codeおよび関連ツールを活用することで、Javaプログラムにおけるデッドロック問題を効率的に特定し、改善することができます。

Java VS Codeでデッドロックを検出するテスト

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