クラウドサービスにおける運用管理の容易さ – サーバーレス vs コンテナ
2025年02月27日 9:21
クラウドサービスの利用が一般化する中で、企業にとって「運用管理の容易さ」は重要な選択基準となっています。本記事では、主要クラウドプロバイダー(AWS、Azure、GCP)が提供するサーバーレスとコンテナの運用管理の違いを比較し、どのようなユースケースに最適かを考察します。
サーバーレスは、クラウドプロバイダーが基盤となるインフラの管理を完全に担い、開発者がコードの実行に専念できる環境を提供します。代表的なサービスには以下があります。
コンテナは、アプリケーションとその依存関係をパッケージ化し、ポータビリティの高い形で運用できる技術です。クラウドプロバイダーが提供する主なコンテナサービスは以下の通りです。
AWSのサーバーレスとコンテナ環境の運用管理の主な違いは以下の通りです。
サービス | 運用管理負荷 | 特徴 |
---|---|---|
AWS Lambda | 低 | 自動スケーリング、基盤管理不要 |
ECS / EKS(EC2ベース) | 高 | クラスター管理やOSの更新が必要 |
AWS Fargate | 中 | コンテナホスト不要、スケーリング自動化 |
Azureでは、サーバーレスとコンテナサービスの選択肢が豊富に用意されています。
サービス | 運用管理負荷 | 特徴 |
---|---|---|
Azure Functions | 低 | 自動スケーリング、基盤管理不要 |
Azure Kubernetes Service(AKS) | 高 | クラスタ運用が必要、手動スケール設定可 |
Azure Container Apps | 中 | Kubernetesを隠蔽、簡単なスケーリング可能 |
GCPの運用管理の特性を比較すると、Cloud Runが最も手軽な選択肢となります。
サービス | 運用管理負荷 | 特徴 |
---|---|---|
Cloud Functions | 低 | 基盤管理不要、イベント駆動 |
GKE(Google Kubernetes Engine) | 高 | クラスター管理、手動スケール調整 |
Cloud Run | 中 | コンテナ実行環境、スケーリング自動化 |
サーバーレスはクラウドプロバイダーが基盤のセキュリティ対策を担うため、運用負荷は低いですが、コンテナ環境ではユーザー側の責任範囲が広がります。
項目 | サーバーレス | コンテナ |
---|---|---|
基盤管理 | クラウドプロバイダー | 利用者 |
OS/ランタイム更新 | 自動 | 手動(ECS、EKS、AKS、GKE) |
ネットワーク設定 | 簡単 | 詳細な設定が可能 |
サーバーレス環境では、ログの自動収集が整備されていますが、コンテナ環境では設定が必要になることが多いです。
クラウド | サーバーレスのログ管理 | コンテナのログ管理 |
---|---|---|
AWS | CloudWatch Logs に自動送信 | ECS/EKSのログをCloudWatchに統合可能 |
Azure | Application Insights に統合 | Log Analytics ワークスペースを利用 |
GCP | Cloud Logging に統合 | GKE で手動設定可能 |
ユースケース | 推奨技術 |
---|---|
短時間のイベント駆動処理 | サーバーレス(Lambda, Functions, Cloud Functions) |
長時間稼働のWebアプリ | コンテナ(ECS, AKS, GKE) |
高可用性のAPIバックエンド | Cloud Run / AWS Fargate / Azure Container Apps |
機械学習のバッチ処理 | コンテナ(GPU利用可) |
運用管理の容易さを考えると、サーバーレスが最も手軽ですが、コンテナは柔軟性が高い選択肢となります。特に、Cloud RunやAWS Fargateのような「サーバーレスコンテナ」ソリューションは、両者のメリットを活かした選択肢として注目されています。ユースケースに応じて適切な技術を選びましょう。
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