クラウドサービスにおける運用管理の容易さ – サーバーレス vs コンテナ

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2025年02月27日 9:21

目次

  1. はじめに
  2. サーバーレスとコンテナの基本概念
    • サーバーレス(FaaS)とは
    • コンテナ(CaaS)とは
  3. 主要クラウドプロバイダーの運用管理比較
    • AWSにおける運用管理
    • Azureにおける運用管理
    • GCPにおける運用管理
  4. セキュリティ面での運用管理の違い
  5. ログ管理と監視のしやすさ
  6. ユースケースごとの選択基準
  7. まとめ

1. はじめに

クラウドサービスの利用が一般化する中で、企業にとって「運用管理の容易さ」は重要な選択基準となっています。本記事では、主要クラウドプロバイダー(AWS、Azure、GCP)が提供するサーバーレスとコンテナの運用管理の違いを比較し、どのようなユースケースに最適かを考察します。

2. サーバーレスとコンテナの基本概念

サーバーレス(FaaS)とは

サーバーレスは、クラウドプロバイダーが基盤となるインフラの管理を完全に担い、開発者がコードの実行に専念できる環境を提供します。代表的なサービスには以下があります。

  • AWS Lambda(AWS)
  • Azure Functions(Azure)
  • Cloud Functions(GCP)

コンテナ(CaaS)とは

コンテナは、アプリケーションとその依存関係をパッケージ化し、ポータビリティの高い形で運用できる技術です。クラウドプロバイダーが提供する主なコンテナサービスは以下の通りです。

  • Amazon ECS / EKS(AWS)
  • Azure Kubernetes Service(Azure)
  • Google Kubernetes Engine(GCP)
  • サーバーレスコンテナ実行環境(AWS Fargate、Azure Container Apps、Cloud Run)

3. 主要クラウドプロバイダーの運用管理比較

AWSにおける運用管理

AWSのサーバーレスとコンテナ環境の運用管理の主な違いは以下の通りです。

サービス運用管理負荷特徴
AWS Lambda自動スケーリング、基盤管理不要
ECS / EKS(EC2ベース)クラスター管理やOSの更新が必要
AWS Fargateコンテナホスト不要、スケーリング自動化

Azureにおける運用管理

Azureでは、サーバーレスとコンテナサービスの選択肢が豊富に用意されています。

サービス運用管理負荷特徴
Azure Functions自動スケーリング、基盤管理不要
Azure Kubernetes Service(AKS)クラスタ運用が必要、手動スケール設定可
Azure Container AppsKubernetesを隠蔽、簡単なスケーリング可能

GCPにおける運用管理

GCPの運用管理の特性を比較すると、Cloud Runが最も手軽な選択肢となります。

サービス運用管理負荷特徴
Cloud Functions基盤管理不要、イベント駆動
GKE(Google Kubernetes Engine)クラスター管理、手動スケール調整
Cloud Runコンテナ実行環境、スケーリング自動化

4. セキュリティ面での運用管理の違い

サーバーレスはクラウドプロバイダーが基盤のセキュリティ対策を担うため、運用負荷は低いですが、コンテナ環境ではユーザー側の責任範囲が広がります。

項目サーバーレスコンテナ
基盤管理クラウドプロバイダー利用者
OS/ランタイム更新自動手動(ECS、EKS、AKS、GKE)
ネットワーク設定簡単詳細な設定が可能

5. ログ管理と監視のしやすさ

サーバーレス環境では、ログの自動収集が整備されていますが、コンテナ環境では設定が必要になることが多いです。

クラウドサーバーレスのログ管理コンテナのログ管理
AWSCloudWatch Logs に自動送信ECS/EKSのログをCloudWatchに統合可能
AzureApplication Insights に統合Log Analytics ワークスペースを利用
GCPCloud Logging に統合GKE で手動設定可能

6. ユースケースごとの選択基準

ユースケース推奨技術
短時間のイベント駆動処理サーバーレス(Lambda, Functions, Cloud Functions)
長時間稼働のWebアプリコンテナ(ECS, AKS, GKE)
高可用性のAPIバックエンドCloud Run / AWS Fargate / Azure Container Apps
機械学習のバッチ処理コンテナ(GPU利用可)

7. まとめ

運用管理の容易さを考えると、サーバーレスが最も手軽ですが、コンテナは柔軟性が高い選択肢となります。特に、Cloud RunやAWS Fargateのような「サーバーレスコンテナ」ソリューションは、両者のメリットを活かした選択肢として注目されています。ユースケースに応じて適切な技術を選びましょう。

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