フロントエンジニアの平均年収相場は?年収アップの方法や身につけたいスキルを解説
2024年03月14日 15:16
フロントエンジニアとして現在活躍している、もしくは今後フロントエンジニアになりたいと考えている人の中には、年収アップするために何をすれば良いのか気になる人も多いのではないでしょうか?
フロントエンジニアが年収をアップさせるためには、前提としてプログラミングスキルやコミュニケーションスキルを磨く必要があります。そこで本記事では、気になるフロントエンジニアの平均年収相場から年収アップの方法や身につけるべきスキルについて解説していきます。
また、フロントエンジニアとして年収1000万円を達成するのは可能なのかという点についても詳しく解説しているので、今後フロントエンジニアとして年収アップや就職・転職を考えている方はぜひ参考にしてくださいね!
まずはフロントエンジニアがどのような業務内容を普段行っているのか、 以下で詳しく見ていきましょう。
【 フロントエンジニアの業務内容】
1.マークアップ
2.SEO対策
3.デバック
それぞれについて以下で詳しく解説していきます。
マークアップとは、 コンピューターが現実世界での資格 表現や文章構造などに関する情報を、正確に認識ができるようにタグ付けすることです。「タグ」とは、 コンピューター上におけるタイトル や 見出しなどの各構成要素を識別するために使われています。
例えば、人間であれば インターネットのブログや 現実世界でのパンフレットを見た時に、タイトル や 見出し、 デザインや レイアウト、 全体の見た目からどのような内容が記載されているのかをある程度 推測することができます。しかし、 コンピューターは文章の意味や 内容を見た目だけでは理解することができません。
そこで、 マークアップによってタグ付けをすることにより、 コンピューターがタイトル や 見出しなどを識別できるようになるのです。 この作業によって、文章構造や視覚表現 などの情報をコンピューターが適切に理解することができるようになります。
SEOとは「SearchEngineOptimization”」の略であり、検索エンジン最適化を意味しています。具体的には、検索ユーザーが求める有益なコンテンツを提供し、検索エンジンに正しくページ内容を評価されるよう技術的にWebページを最適化することを指します。
基本的に、新しくサイトを作成したとしても、 むやみにページを増やしてしまっては 検索に表示されることはありません。これは Google の検索アルゴリズムが、ユーザーのために 良質なコンテンツが表示されるように設計されているためです。
フロントエンジニアは、Webサイトが 検索上位に表示されるように、必要なキーワード選定や適切なマークアップ、 リンク構造を最適化するなどの業務も行います。
デバッグとは、 コンピューター プログラムの中に含まれている問題となる要素を 動作確認しながら見つけ出して、 適切に作動するように修正する作業のことを意味しています。
名前の由来はBUG(虫)をDE(駆除)することからDEBUGと呼ばれています。
例えば、 デバッグをしなかった場合、 インターネットやスマートフォンのアプリケーションはうまく作動しなくなってしまいます。 思うように動かない アプリケーションは、 ユーザーのストレスの原因です。
しかし、しっかりと デバッグをすれば、 アプリケーションもスムーズに動くのでユーザーのストレスもなくなります。 ストレスがなくなって快適に操作できるようになれば、 ユーザーも 継続的にアプリケーションを使ってくれるでしょう。
ユーザーが長く 継続的に使ってくれるためにも デバッグは非常に重要な作業であり、 フロントエンジニアとして作業の経験やスキルを積んでいくと、どのあたりにバグが生じているのかもわかるようになってきます。
GoogleChromeやMicrosoftEdgeなどのWebブラウザは、開発者ツールが備えられており、これを用いてデバッグを行うのが一般的です。ボタンをクリックするなどのアクションを実行し、一行ずつプログラムを動かすことにより、出力エラーなどを確認してデバックを進めます。
この他にも、設計やCMS、バージョン管理、パッケージ管理などフロントエンジニアの仕事は多岐にわたっています。
フロントエンジニアの平均年収相場はどれくらいなのでしょうか?年齢別の傾向とどの年代が一番平均年収が高いのかについて、以下で詳しく見ていきましょう。
厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、フロントエンジニアの全年代の平均年収は約550万円です。この数字だけだとフロントエンジニアの平均年収相場が高いかどうかわからないので、日本人の平均年収についても見てみましょう。
参考:令和4年賃金構造基本統計調査結果の概況-厚生労働省
引用:令和3年分民間給与実態統計調査|国税庁
国税庁が発表している「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年の時点で日本人の平均年収は約443万円であることが分かっています。そのため、フロントエンジニアは業界全体で見ても平均年収相場が日本人の平均年収よりも高いことが分かります。
さらには、派遣社員として働いている場合でも日本人の平均年収より高いので、他の職業と比較しても「稼げる」仕事と言えるでしょう。
次に年代ごとの平均年収相場について見てみましょう。残念ながら、フロントエンジニアの年代ごとの平均年収相場が明確に記載されている情報というのはありませんでした。
もっとも、経済産業省が過去に「IT関連産業の給与などに関する実態調査」をを行っており、発表されているデータによると日本のIT人材の年代別の年収分布は以下のようになっています。
引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省
上記データによると、日本のIT人材の年代別年収分布は、20代が約413万円、30代が約526万円、40代が約646万円、50代が約754万円となっています。日本人の平均年収が約434万円あることを念頭に置くと、20代でほぼ平均年収と同じくらい、30代以降は平均年収よりも多く稼げることが分かりました。
このようなデータから、IT業界に属しているフロントエンジニアもある程度同じような年収分布であることが予想されます、そのため、フロントエンジニアの平均年収相場は年代ごとに見ても日本人の平均年収よりも多く稼ぐことのできる仕事と言えるでしょう。
フロントエンジニアの年収相場は、年齢だけではなく経験やスキルによっても大きく変わってきます。求人サイトに掲載されているフロントエンジニアの求人を調査して、経験年数から年収相場を計算しました。
ただし、あくまでもスキルや経験によって金額は左右されるので、目安程度の相場だと思ってください。
経験年数 | 年収相場 |
---|---|
1年目 | 250万円〜300万円 |
2年目 | 450万円 |
3年目 | 550万円〜600万円 |
10年目 | 800万円 |
実際に求人サイトに掲載されているフロントエンジニアが求人を調査したところ、エンジニアだけではなくディレクション業務を行える人や、マネジメント経験のある人などは年収が高くなりやすい傾向がありました。
ここでは、フロントエンジニアとしてどのように年収をアップさせれば良いのか、具体的な方法についてご紹介します。
【年収をアップさせるための方法】
フロントエンジニアとして年収をアップさせたいのであれば、知識や経験、スキルを磨いて専門性の高いエンジニアになることが重要です。経済産業省が公表している既存統計調査データをもとに推計された「IT人材の供給動向の予測」では、日本において2030年までIT人材が不足することがほぼ確実であることが判明しました。
引用:経済産業省商務情報政策局情報処理振興課
統計からもわかるように深刻なIT人材不足に陥っている日本ですが、それと同じくらい問題となっているのが「IT人材の質」です。経済産業省が公開している「DX白書2023」では、毎年のように需要が高まっているIT人材について次のような言及がされていました。
引用:DX白書2023|経済産業省このデータが意味しているのは、人材が足りていないにもかかわらず、中途採用の現場では「採用活動をしても企業の求めるニーズにあったレベルの人材がいない」という問題が常に生じているということです。
こういった背景もあり、知識や経験、スキルを磨いて専門性の高いエンジニアになれば、需要の高まるIT業界において必ず活躍できる人材になることができます。
年収アップのためには、効果的にスキルをアピールできるポートフォリオを作ることが重要です。ポートフォリオとは、自分がこれまで作成したサイトなどを見やすくまとめている一覧表のようなものです。
就職や転職をする際には、その人がどのような経験とスキルを身につけてきたのか、ポートフォリオが重要視される傾向にあります。ポートフォリオから経験豊富でスキルのあるフロントエンジニアだと分かれば、待遇の良い企業に入社することも可能です。
これまでポートフォリオにできるような仕事をしていなかったという場合は、個人的にポートフォリオに利用できるものを作成すると良いでしょう。
今よりも年収アップを狙っているのであれば、フロントエンジニアとして転職やフリーランスへの独立を検討するのもおすすめです。転職やフリーランスへの独立を検討している場合、新しい場所でも通用するのか副業などをして自分の力を試してみるというのも良いでしょう。
ただし、副業は会社が禁止している場合もあるので、始める前に必ず就業規則を確認してください。
国税庁の「民間給与実態統計調査業種別の給与階級別構成割合」によると、情報通信業で800万円以上の給与所得の割合は約21.9%でした。また業種全体で見ても、年収1000万円以上は5%前後と非常に少ない割合なのが現状です。
引用:「民間給与実態統計調査業種別の給与階級別構成割合」|国税庁
そのため、フフロントエンジニアとして年収1000万円を超えるのは、非常に高いスキルを持つ一部の人たちのみだと考えられます。もっとも、フロントエンジニアは非常に高単価な案件も多く高額の報酬を得やすい仕事です。
例えば、月単価が約90万円の案件を12ヶ月間受注できれば、年収は1000万円を超えることになります。年収1000万円を超えようと思っているのであれば、フロントエンジニアとして開発経験を積むだけではなく、他のプログラミング言語やITツールなどを扱えるようにして希少価値の高い人材になり、高単価の案件を狙うのが良いでしょう。
フロントエンジニアとして年収アップのために身につけたいスキルは以下の4つです。
1.デザインスキル
2.コミュニケーションスキル
3.マークアップやスタイルシート言語
4.フロントエンド業務に必要なプログラミング言語
それぞれのスキルについて以下で詳しく解説していきます。
フロントエンジニアはプログラミング作業だけではなく、具体的なデザインの実装やUI/UXの設計業務を行う場合もあります。そのため、Webデザインの基本的なスキルを習得したり、使いやすいUIはどのようなものなのか学んだりするとスキルアップに繋がるでしょう。
また、デザインやUI/UXについて本格的に学べば、フロントエンジニアとしてだけではなくWebデザイナーとしても働くことができます。どちらの経験もある人は、両方の見地から物事を考えられるので、マネジメント業務もスムーズに行うことが可能です。
意外に思われるかもしれませんが、年収アップのためにはコミュニケーションスキルを身につけることも重要です。技術者の側面が強いフロントエンジニアですが、実はクライアントと接する機会もかなり多い仕事となります。
クライアントが抱えている悩みや問題を解決することがフロントエンジニアの仕事では重要であるため、相手から色々なことを聞き出さなければいけません。また、基本的にデザイナーや他のエンジニアと一緒に仕事をやることになるので、円滑にコミュニケーションを取れなければ業務に支障をきたしてしまいます。
なた、コミュニケーションスキルを磨いていれば、転職やフリーランスとして独立した時でも、高単価の案件を獲得しやすいです。こういったさまざまな理由から、フロントエンジニアであったとしてもコミュニケーションスキルは日頃から意識して磨いておくべきでしょう。
ユーザーが直接目にする部分に携わるフロントエンドエンジニアは、マークアップ業務を担当することもあります。そのためHTMLやCSS、場合によってはPHPなどのプログラミング言語も学んでおくと良いでしょう。
なおHTMLとCSSは両者に密接な関係性があるので、セットで学習することが必要となります。
世の中には数多くのプログラミング言語があり、それぞれにできることとできないことがあります。フロントエンドに関する業務においては、次のプログラミング言語が多く用いられるので、スキルアップのために学んでおくと良いでしょう。
プログラミング言語 | できること |
---|---|
HTML・CSS | ・Webページのレイアウト ・デザイン ・HTMLメールの作成 |
PHP | ・Webサイトのバックエンドの開発 ・Webアプリケーションの開発 ・CMSの開発 |
Ruby | ・Webサイトのバックエンドの開発 ・Webアプリケーションの開発 |
VisualBasic(VisualBasic.NET) | ・Windowsアプリケーションの開発 ・Officeアプリケーションの拡張機能の開発 |
JavaScript | ・Webサイトのフロントエンドの開発 ・動的なWebページの開発 ・Webアプリケーションの開発 |
Python | ・AIの開発 ・Webアプリケーションの開発 ・バックエンドの開発 ・データの分析・解析 |
結論から言うと、未経験からでもフロントエンジニアになることは可能です。なぜなら、現在の日本ではIT人材が不足しており、フロントエンジニアの需要が高く、経験がない人でも雇う企業が増えているためです。
それでは具体的にどうすれば未経験からフロントエンジニアになれるのでしょうか?ここでは、未経験からフロントエンジニアになるための具体的な方法について解説していきます。
未経験からフロントエンジニアになるためには、独学で必要なスキルを学ぶというのも一つの選択肢です。現在では様々な書籍や学習サイトが利用できるので、独学でもある程度プログラミング言語を学習しやすい環境となっています。
独学でフロントエンジニアになるために学習するのであれば、最低限以下の知識は必ず抑えておきましょう。
プログラミングなどの開発言語だけではなく、フレームワークやWeb関連の知識についても必要となります。
未経験からフロントエンジニアになりたいのであれば、プログラミングスクールに通うのがおすすめです。プログラミングスクールでは、体系化されたカリキュラムのもと、専門的なエンジニアから指導を受けることができます。
特にプログラミング学習において、初心者はその難しさからすぐに挫折しがちです。独学で誰にも質問できない状況の場合、わからないところを解決できずに時間を無駄にしてしまいます。
また、プログラミングスクールであればプログラミング言語だけではなく上記で紹介した必要なスキルについても学ぶことが可能です。できるだけ最短の道のりでフロントエンジニアになりたいのであれば、プログラミングスクールに通うことも検討しましょう。
前提として、フロントエンジニアとして働くためには資格は必要ありません。しかし、フロントエンジニアに関係した資格をあらかじめ取得していれば、自分の知識や熱意を客観的に証明することができます。
フロントエンジニアの就職や転職に役立つ資格の例は、以下のとおりです。
すでにフロントエンジニアとして働いており、年収アップをしようと転職を考えている方も多いかもしれません。フロントエンジニアが年収アップできる転職先として、考えられるのは以下の3つです。
それぞれについて以下で詳しく解説していきます。
Webディレクターとは、Web制作や運営においてプロジェクトの中心となって指揮や監督するポジションのことです。具体的には、Web制作のプロジェクトがスムーズに進むようにスケジュールを管理して、各メンバーとの調整を行います。
フロントエンジニアとして経験やスキルを身につければ、Webディレクターに転職してキャリアアップすることも可能です。他にも、WebデザイナーやUI/UXエンジニアなど関連する業種に転職して年収アップを狙う方法もあります。
フルスタックエンジニアとは、Webサイト制作の全工程を任されるほど広い範囲の技術と知識を持っているエンジニアのことです。サイトのデザインからコーディング作業、プログラミング、ディレクション、マーケティングなど幅広い分野を担当しています。
こういった幅広い分野を担当できるエンジニアはほとんどいないので、非常に希少価値が高くどこに行っても求められる人材と言えるでしょう。
フロントエンジニアからWebマーケターへキャリアチェンジするという方法もおすすめです。Webマーケターとは、ウェブサイトを通じて集客や収入を得るためにはどうすれば良いのか、企業が抱えている課題を解決するには何をすれば良いのか考えて売上アップを実現する仕事になります。
フロントエンジニアとして、SEOやデータ分析、AI関連のスキルを身につけていればWebマーケターとして活躍する可能性が高まります。開発より他のことが向いているのではと感じているのであれば、上記のスキルを学んでキャリアチェンジを図ると良いでしょう。
今回はフロントエンジニアの年収相場を中心にして、未経験からフロントエンジニアになるための方法や年収アップに必要なスキルについて詳しく解説してきました。
フロントエンジニアは今後ますます需要がある仕事であり、スキルや知識を身につければ活躍して高収入を狙うことも可能です。高収入を狙うためには、日頃からプログラミング言語に関するスキルやコミュニケーションスキルを磨く必要があります。
診断を受けるとあなたの現在の業務委託単価を算出します。今後副業やフリーランスで単価を交渉する際の参考になります。また次の単価レンジに到達するためのヒントも確認できます。
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