# Java Mavenリポジトリに成果物を公開する方法

## 目次

1. 1-1 Mavenとは？

2. 1-2 リリース成果物の意義

3. 1-3 リポジトリの種類

4. 1-4 公開手順の全体概要

5. 2-1 Mavenプロジェクトの準備

6. 2-2 POMファイルの設定

7. 2-3 GPG署名による成果物の署名

8. 2-4 Maven Central Repositoryへの公開

9. 2-5 OSSRHアカウントの登録と設定

10. 2-6 検証とコミットメントの完了

11. 3-1 公開時の一般的なトラブルシューティング

12. まとめ

## 1-1 Mavenとは？

Mavenは、Javaプロジェクトのライフサイクル管理を行うためのビルドツール兼プロジェクト管理ツールです。設定ファイル（POM.xml）の記述によりライブラリの依存解決、プロジェクトのビルド、テスト、リリースが可能です。

## 1-2 リリース成果物の意義

成果物（artifact）を公開することで、他の開発者はそのライブラリやプラグインを簡単に利用できます。公共のMavenリポジトリに公開することは、プロジェクトの普及に繋がります。

## 1-3 リポジトリの種類

Mavenリポジトリには大きく分けて次の3つがあります。

- **ローカルリポジトリ**: 開発環境内の依存関係を管理。

- **プライベートリポジトリ**: 社内や特定のプロジェクト用の非公開リポジトリ。

- **公共リポジトリ**: Maven Central Cacheなど、広く利用されるオープンなリポジトリ。

## 1-4 公開手順の全体概要

Maven Centralへ公開するには以下のステップが必要です。

1. プロジェクト構造の確認

2. POMファイルの設定

3. GPG署名の準備

4. OSSRHのアカウント作成と設定

5. 成果物のビルドと署名

6. 成果物のアップロードと展開

## 2-1 Mavenプロジェクトの準備

まず、Mavenプロジェクトが適切に構成されていることを確認します。プロジェクトのディレクトリ構造とPOMファイルの基本設定が必要です。

```xml

<project xmlns="http://maven.apache.org/POM/4.0.0"

         xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"

         xsi:schemaLocation="http://maven.apache.org/POM/4.0.0 https://maven.apache.org/xsd/maven-4.0.0.xsd">

    <modelVersion>4.0.0</modelVersion>

    <groupId>com.example</groupId>

    <artifactId>my-library</artifactId>

    <version>1.0.0</version>

    <packaging>jar</packaging>

</project>

```

## 2-2 POMファイルの設定

リポジトリに公開するためには、POMファイルにいくつかの必須項目を追記します。特に`distributionManagement`と`scm`情報は、公開にあたって重要です。

```xml

<distributionManagement>

    <repository>

        <id>central</id>

        <url>https://oss.sonatype.org/service/local/staging/deploy/maven2/</url>

    </repository>

</distributionManagement>

<scm>

    <url>https://github.com/example/my-library</url>

    <connection>scm:git:git://github.com/example/my-library.git</connection>

</scm>

```

## 2-3 GPG署名による成果物の署名

Maven Centralに成果物を公開する際には、GPG署名が必要です。GPGキーを作成し、`settings.xml`でその情報を指定します。

### GPGキーの生成

```bash

gpg --gen-key

```

そして、POMまたは`settings.xml`にGPG情報を追加します。

```xml

<build>

    <plugins>

        <plugin>

            <groupId>org.apache.maven.plugins</groupId>

            <artifactId>maven-gpg-plugin</artifactId>

            <version>1.6</version>

            <executions>

                <execution>

                    <goals>

                        <goal>sign</goal>

                    </goals>

                </execution>

            </executions>

        </plugin>

    </plugins>

</build>

```

## 2-4 Maven Central Repositoryへの公開

Maven Centralに公開するためには、SonatypeのOSS Repository Hosting（OSSRH）を利用します。以下の手順で準備していきます。

### 2-5 OSSRHアカウントの登録と設定

[OSSRH](https://oss.sonatype.org/)にてアカウントを作成し、プロジェクトのJIRAチケットを申請します。

```xml

<distributionManagement>

    <snapshotRepository>

        <id>ossrh</id>

        <url>https://oss.sonatype.org/content/repositories/snapshots</url>

    </snapshotRepository>

</distributionManagement>

<repositories>

    <repository>

        <id>central</id>

        <url>https://repo.maven.apache.org/maven2</url>

    </repository>

</repositories>

```

## 2-6 検証とコミットメントの完了

成果物をアップロードしたら、成功が確認できたらMaven Central上に推進します。最終的にJIRAチケット上でのモデレータの承認を待つ必要があります。

## 3-1 公開時の一般的なトラブルシューティング

公開時には、ネットワークエラー、POMファイルの設定間違い、GPGキーの誤設定などの問題に直面することがあります。全てを必ず確認し、問題を解決して再度アップロードを試みることが重要です。

## まとめ

本記事では、Java成果物をMavenリポジトリに公開するための具体的な手順について詳しく説明しました。リポジトリの種類やGPG署名、OSSRHの使い方まで、ステップバイステップで理解することができました。正しく手順を守り、成果物を公開することで、多くの開発者と自作ライブラリを共有し、プロジェクトの拡散に役立てましょう。

Java Mavenリポジトリに成果物を公開する方法

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