# C#のDIコンテナ入門：Microsoft.Extensions.DependencyInjectionの使い方

## 目次
1. なぜDI（依存性注入）を使うのか
2. Microsoft.Extensions.DependencyInjectionとは
3. 基本的な使い方
   1. サービスの登録方法
   2. サービスの解決（取得）方法
4. スコープのライフタイム
   1. Transient
   2. Scoped
   3. Singleton
5. DIコンテナを使った実践的な例
   1. Webアプリケーションでの利用例
   2. コンソールアプリでの利用例
6. 他のDIコンテナとの比較
   1. Autofacとの比較
   2. Unityとの比較
7. よくある間違いとトラブルシューティング
8. まとめ

## 1. なぜDI（依存性注入）を使うのか

依存性注入（Dependency Injection, DI）は、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる手法です。DIを使用することで、コードの結合度を低く抑え、テストや他の機能の追加を容易にします。

### 1-1 依存性の管理の問題

従来の方法では、クラス間の依存関係が密結合になりがちです。例えば、下記のようにクラスAがクラスBを自らの責任でインスタンス化する場合、クラスAの変更やクラスBのインタフェースの変更があるたびに、クラスAのコードも修正が必要になります。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 1-2 DIの導入メリット

DIを使用すると、以下のようにコンストラクタインジェクションを通じて依存オブジェクトを注入することができます。

![img](/mosaic-code.jpg)

このように設計することで、オブジェクトの生成管理が外部に移り、テスト時にモックオブジェクトを容易に注入することも可能になります。

## 2. Microsoft.Extensions.DependencyInjectionとは

Microsoft.Extensions.DependencyInjectionは、ASP.NET Coreをはじめとする.NETアプリケーションで使用される軽量のDIコンテナです。拡張性に優れ、他のDIコンテナと組み合わせて使うこともできます。

## 3. 基本的な使い方

### 3-1 サービスの登録方法

サービスの登録は、`IServiceCollection`インタフェースを使って行います。このインタフェースは、通常、`Startup`クラスの`ConfigureServices`メソッドの中で利用されます。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 3-2 サービスの解決（取得）方法

登録されたサービスは、サービスプロバイダを通じて解決（取得）されます。通常、サービスプロバイダはアプリケーションの起動時に一度作成され、アプリケーションのライフサイクルを通して使用されます。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 4. スコープのライフタイム

### 4-1 Transient

`Transient`ライフタイムで登録されたサービスは、リクエストのたびに新しいインスタンスが生成されます。軽量で状態を持たないサービスに適しています。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-2 Scoped

`Scoped`ライフタイムは、通常のASP.NET Coreアプリケーションにおいてリクエストごとにインスタンスが生成されます。Webアプリケーションでのセッション管理などに便利です。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 4-3 Singleton

`Singleton`ライフタイムで登録されたサービスは、アプリケーションのライフタイム全体で1つのインスタンスが使用されます。アプリケーション全体で共通の状態を管理するサービスなどに使用します。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 5. DIコンテナを使った実践的な例

### 5-1 Webアプリケーションでの利用例

ASP.NET Coreアプリケーションでは、DIコンテナがデフォルトで組み込まれており、`Startup`クラスでサービスを登録します。

![img](/mosaic-code.jpg)

### 5-2 コンソールアプリでの利用例

コンソールアプリでもDIコンテナを活用することで、モジュール間の依存を簡易化できます。

![img](/mosaic-code.jpg)

## 6. 他のDIコンテナとの比較

Microsoft.Extensions.DependencyInjectionは、他の多機能なDIコンテナよりもシンプルに設計されています。

### 6-1 Autofacとの比較

Autofacは、より高度なDIシナリオを提供し、詳細な依存性管理とライフサイクルの制御が可能です。しかし、その分APIが複雑になりがちです。

### 6-2 Unityとの比較

Unityは、多様な構成オプションを持ち、幅広いプラットフォームと統合できる柔軟性がありますが、Microsoft.Extensions.DependencyInjectionに比べるとやや重い印象を与えます。

## 7. よくある間違いとトラブルシューティング

- **サイクル依存のエラー**: サービス間で相互に依存関係があると実行時に例外を引き起こします。この場合、設計を見直す必要があります。
- **未登録サービスの解決**: DIコンテナに登録することを忘れ、`null`が返されることがあります。適切に`IServiceCollection`にサービスを登録してください。

## 8. まとめ

Microsoft.Extensions.DependencyInjectionは、シンプルで効率的なDIコンテナを提供し、.NETアプリケーションの開発をより容易にします。これを活用することで、コードの可読性と保守性が向上し、テストのしやすさも増します。DIの基本をしっかり理解することで、より強力なアプリケーションを開発する道が開けます。 [cv:issue_marketplace_engineer]

# C#のDIコンテナ入門：Microsoft.Extensions.DependencyInjectionの使い方

## 目次
1. なぜDI（依存性注入）を使うのか
2. Microsoft.Extensions.DependencyInjectionとは
3. 基本的な使い方
   1. サービスの登録方法
   2. サービスの解決（取得）方法
4. スコープのライフタイム
   1. Transient
   2. Scoped
   3. Singleton
5. DIコンテナを使った実践的な例
   1. Webアプリケーションでの利用例
   2. コンソールアプリでの利用例
6. 他のDIコンテナとの比較
   1. Autofacとの比較
   2. Unityとの比較
7. よくある間違いとトラブルシューティング
8. まとめ

## 1. なぜDI（依存性注入）を使うのか

依存性注入（Dependency Injection, DI）は、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる手法です。DIを使用することで、コードの結合度を低く抑え、テストや他の機能の追加を容易にします。

### 1-1 依存性の管理の問題

従来の方法では、クラス間の依存関係が密結合になりがちです。例えば、下記のようにクラスAがクラスBを自らの責任でインスタンス化する場合、クラスAの変更やクラスBのインタフェースの変更があるたびに、クラスAのコードも修正が必要になります。

```csharp
public class A
{
    private B _b;

    public A()
    {
        _b = new B();
    }
}
```

### 1-2 DIの導入メリット

DIを使用すると、以下のようにコンストラクタインジェクションを通じて依存オブジェクトを注入することができます。

```csharp
public class A
{
    private readonly B _b;

    public A(B b)
    {
        _b = b;
    }
}
```

このように設計することで、オブジェクトの生成管理が外部に移り、テスト時にモックオブジェクトを容易に注入することも可能になります。

## 2. Microsoft.Extensions.DependencyInjectionとは

Microsoft.Extensions.DependencyInjectionは、ASP.NET Coreをはじめとする.NETアプリケーションで使用される軽量のDIコンテナです。拡張性に優れ、他のDIコンテナと組み合わせて使うこともできます。

## 3. 基本的な使い方

### 3-1 サービスの登録方法

サービスの登録は、`IServiceCollection`インタフェースを使って行います。このインタフェースは、通常、`Startup`クラスの`ConfigureServices`メソッドの中で利用されます。

```csharp
public void ConfigureServices(IServiceCollection services)
{
    services.AddTransient<IService, ServiceImplementation>();
    services.AddScoped<IOtherService, OtherServiceImplementation>();
    services.AddSingleton<ISingletonService, SingletonServiceImplementation>();
}
```

### 3-2 サービスの解決（取得）方法

登録されたサービスは、サービスプロバイダを通じて解決（取得）されます。通常、サービスプロバイダはアプリケーションの起動時に一度作成され、アプリケーションのライフサイクルを通して使用されます。

```csharp
public class SomeService
{
    private readonly IServiceProvider _serviceProvider;

    public SomeService(IServiceProvider serviceProvider)
    {
        _serviceProvider = serviceProvider;
    }

    public void DoSomething()
    {
        var service = _serviceProvider.GetService<IService>();
        service.DoWork();
    }
}
```

## 4. スコープのライフタイム

### 4-1 Transient

`Transient`ライフタイムで登録されたサービスは、リクエストのたびに新しいインスタンスが生成されます。軽量で状態を持たないサービスに適しています。

```csharp
services.AddTransient<IService, ServiceImplementation>();
```

### 4-2 Scoped

`Scoped`ライフタイムは、通常のASP.NET Coreアプリケーションにおいてリクエストごとにインスタンスが生成されます。Webアプリケーションでのセッション管理などに便利です。

```csharp
services.AddScoped<IService, ServiceImplementation>();
```

### 4-3 Singleton

`Singleton`ライフタイムで登録されたサービスは、アプリケーションのライフタイム全体で1つのインスタンスが使用されます。アプリケーション全体で共通の状態を管理するサービスなどに使用します。

```csharp
services.AddSingleton<IService, ServiceImplementation>();
```

## 5. DIコンテナを使った実践的な例

### 5-1 Webアプリケーションでの利用例

ASP.NET Coreアプリケーションでは、DIコンテナがデフォルトで組み込まれており、`Startup`クラスでサービスを登録します。

```csharp
public class Startup
{
    public void ConfigureServices(IServiceCollection services)
    {
        services.AddControllersWithViews();
        services.AddTransient<IMyService, MyService>();
    }
}
```

### 5-2 コンソールアプリでの利用例

コンソールアプリでもDIコンテナを活用することで、モジュール間の依存を簡易化できます。

```csharp
class Program
{
    static void Main(string[] args)
    {
        var serviceCollection = new ServiceCollection();
        ConfigureServices(serviceCollection);

        var serviceProvider = serviceCollection.BuildServiceProvider();
        var myService = serviceProvider.GetService<IMyService>();
        myService.DoWork();
    }

    private static void ConfigureServices(IServiceCollection services)
    {
        services.AddTransient<IMyService, MyService>();
    }
}
```

## 6. 他のDIコンテナとの比較

Microsoft.Extensions.DependencyInjectionは、他の多機能なDIコンテナよりもシンプルに設計されています。

### 6-1 Autofacとの比較

Autofacは、より高度なDIシナリオを提供し、詳細な依存性管理とライフサイクルの制御が可能です。しかし、その分APIが複雑になりがちです。

### 6-2 Unityとの比較

Unityは、多様な構成オプションを持ち、幅広いプラットフォームと統合できる柔軟性がありますが、Microsoft.Extensions.DependencyInjectionに比べるとやや重い印象を与えます。

## 7. よくある間違いとトラブルシューティング

- **サイクル依存のエラー**: サービス間で相互に依存関係があると実行時に例外を引き起こします。この場合、設計を見直す必要があります。
- **未登録サービスの解決**: DIコンテナに登録することを忘れ、`null`が返されることがあります。適切に`IServiceCollection`にサービスを登録してください。

## 8. まとめ

Microsoft.Extensions.DependencyInjectionは、シンプルで効率的なDIコンテナを提供し、.NETアプリケーションの開発をより容易にします。これを活用することで、コードの可読性と保守性が向上し、テストのしやすさも増します。DIの基本をしっかり理解することで、より強力なアプリケーションを開発する道が開けます。 

C#のDIコンテナ入門：Microsoft.Extensions.DependencyInjectionの使い方

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