# Azure Key Vaultを.NETアプリで利用する手順とベストプラクティス

## 目次

1. Azure Key Vaultとは

2. Azure Key Vaultの使用目的

3. .NETアプリでAzure Key Vaultを利用する手順

    1. Azure Key Vaultの作成

    2. アクセス ポリシーの設定

    3. .NETアプリでの認証方法

    4. 必要なNuGetパッケージのインストール

    5. コードサンプル：シークレットの取得

4. Azure Key Vaultのベストプラクティス

    1. アクセス制御の最適化

    2. ローテーションポリシーの設定

    3. ロギングとモニタリング

5. まとめ

## 1. Azure Key Vaultとは

Azure Key Vaultは、Microsoft Azureが提供するクラウドベースのシークレット管理サービスです。パスワード、APIキー、証明書などの機密情報を安全に格納し、アクセスを制御することができます。

## 2. Azure Key Vaultの使用目的

Azure Key Vaultは次のような目的で使用されます：

- 機密情報の安全な格納

- アクセスの制御と監査

- シークレットの自動ローテーションによるセキュリティの向上

## 3. .NETアプリでAzure Key Vaultを利用する手順

### 3-1. Azure Key Vaultの作成

1. Azureポータルにサインインします。

2. 「リソースの作成」から「Key Vault」を選択。

3. リソースグループ、Key Vault名、リージョンを選択し、「作成」をクリック。

### 3-2. アクセス ポリシーの設定

作成したKey Vaultの設定画面で、アクセス ポリシーを設定し、アプリが必要とするアクセス権限（例：Get、List、Set）を付与します。

### 3-3. .NETアプリでの認証方法

Azure.Identityパッケージを使用して、マネージドIDまたはクライアントシークレットを利用した認証を行います。以下、マネージドIDの使用例です。

```csharp

using Azure.Identity;

using Azure.Security.KeyVault.Secrets;

// Managed Identityでの認証

var client = new SecretClient(vaultUri: new Uri("<your-vault-url>"), credential: new DefaultAzureCredential());

```

### 3-4. 必要なNuGetパッケージのインストール

- Azure.Identity

- Azure.Security.KeyVault.Secrets

```sh

dotnet add package Azure.Identity

dotnet add package Azure.Security.KeyVault.Secrets

```

### 3-5. コードサンプル：シークレットの取得

シークレットを取得するための基本的なコード例を示します。

```csharp

using Azure.Identity;

using Azure.Security.KeyVault.Secrets;

using System;

using System.Threading.Tasks;

class Program

{

    static async Task Main(string[] args)

    {

        var kvUri = "https://<your-vault-name>.vault.azure.net";

        var client = new SecretClient(new Uri(kvUri), new DefaultAzureCredential());

        KeyVaultSecret secret = await client.GetSecretAsync("<your-secret-name>");

        Console.WriteLine($"Secret value: {secret.Value}");

    }

}

```

## 4. Azure Key Vaultのベストプラクティス

### 4-1. アクセス制御の最適化

最小特権の原則に基づき、各アプリケーションやユーザーに必要最低限のアクセス権のみを付与します。Azure RBACを活用して特定のアクセス範囲を設定します。

### 4-2. ローテーションポリシーの設定

シークレットの定期的な自動ローテーションを設定し、セキュリティ更新を怠らないようにします。Azureポリシーを使用してポリシーを自動化できます。

### 4-3. ロギングとモニタリング

Azure Monitorを使用してKey Vaultの操作をログに記録し、監査可能にします。また、Azure Security Centerを使って潜在的なセキュリティのリスクを継続的に検出します。

## 5. まとめ

Azure Key Vaultは、機密情報を安全に管理し、アクセスを制御するために非常に強力なツールです。.NETアプリケーションで活用することで、アプリのセキュリティを高めつつ、開発と運用の両面で効率的な環境を構築できます。ベストプラクティスを採用することで、より安全でパフォーマンスの高いアプリケーションを提供しましょう。

Azure Key Vaultを.NETアプリで利用する手順とベストプラクティス

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）