App Engineのコスト削減:Firebase Hosting vs. Cloud Runの選択肢

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2025年02月15日 7:02

Google App Engineの運用コストが月3万円と高額になっているため、よりコスト効率の良い代替手段を検討する。現在使用中のドメイン配下でサービスを運用し続ける前提で、Firebase HostingとCloud Runのどちらが適しているのかを詳しく比較する。

目次
1. App Engineのコスト問題と解決策の方向性
2. Firebase HostingとCloud Runの概要
3. コスト比較:Firebase Hosting vs. Cloud Run
4. パフォーマンスとスケーラビリティの比較
5. ドメイン設定とカスタマイズ性
6. ユースケース別の最適な選択肢
7. 導入手順と移行のポイント
8. まとめ

  1. App Engineのコスト問題と解決策の方向性

Google App EngineはPaaS(Platform as a Service)として便利な反面、トラフィックの増加やインスタンスのスケールアウトによってコストが膨らみやすいという課題がある。特に、以下のような要因で高額になりがちである:
• 自動スケールにより予期せぬインスタンス増加
• データストレージや通信量のコスト
• App Engineのスタンダード環境とフレキシブル環境の仕様によるコスト増

このコストを削減しつつ、既存のドメインを活用するには、Firebase HostingやCloud Runの導入が有力な選択肢となる。

  1. Firebase HostingとCloud Runの概要

Firebase Hosting

Firebase Hostingは、静的コンテンツのホスティングに最適なサービス。CDN(コンテンツデリバリネットワーク)を活用し、高速なコンテンツ配信が可能。
• メリット
• 無料枠が充実しており、軽量なWebサービスならほぼ無料で運用可能
• CDNを活用した高速なコンテンツ配信
• SSLやカスタムドメインのサポートが容易
• デメリット
• 動的なバックエンド処理が必要な場合には向かない
• FirestoreやCloud Functionsとの組み合わせが必要

Cloud Run

Cloud Runは、コンテナ化したアプリケーションをサーバーレスで実行できるサービス。HTTPリクエストがあるとコンテナを起動し、処理が終わると自動でスケールダウンする。
• メリット
• 動的な処理を含むアプリケーションに対応
• 必要なときにのみコンテナを起動し、使った分だけ課金
• フルカスタマイズ可能で、既存のApp Engineアプリの移行がしやすい
• デメリット
• Firebase Hostingと比べると、設定や管理が若干複雑
• 一定のトラフィックがあると、App Engineほどではないがコストが発生する

  1. コスト比較:Firebase Hosting vs. Cloud Run

項目 Firebase Hosting Cloud Run
無料枠 10GBの転送量・月数百万リクエスト 50時間の実行時間・200万リクエスト
課金モデル CDNの転送量に応じた課金 CPU使用時間・メモリ・リクエスト単位で課金
月3万円の予算での運用可能性 可能(静的コンテンツ中心なら) 可能(負荷次第)

•	Firebase Hostingは静的サイト中心なら無料枠内で運用可能。
•	Cloud Runは動的処理が必要な場合に最適だが、負荷が高くなるとコストが増加。
  1. パフォーマンスとスケーラビリティの比較
    • Firebase Hosting:
    • グローバルCDNを活用し、高速なコンテンツ配信が可能。
    • 動的処理はできないが、Cloud Functionsとの組み合わせで解決可能。
    • Cloud Run:
    • 必要に応じてスケールするため、無駄なリソース消費が少ない。
    • トラフィックの急増時にもオートスケールが可能。

結論:
• 単純なWebサイトならFirebase Hostingが圧倒的に優位。
• APIや動的な処理が多いならCloud Runが最適。

  1. ドメイン設定とカスタマイズ性

Firebase Hosting
• カスタムドメインが簡単に設定可能(Google Domains・他のDNSサービスにも対応)
• SSL証明書を無料で自動管理

Cloud Run
• カスタムドメイン対応可能
• Cloud Load Balancerを利用すると高度なトラフィック管理が可能

  1. ユースケース別の最適な選択肢

ユースケース Firebase Hosting Cloud Run
静的サイト ◎ △
シンプルなWebアプリ(SSRなし) 〇 〇
APIサーバー × ◎
CPU負荷の高い処理 × ◎
スケールが必要なサービス △ ◎

  1. 導入手順と移行のポイント

Firebase Hostingの移行手順
1. Firebase CLIをインストール
2. Firebase Hostingのプロジェクトを作成
3. ドメイン設定
4. firebase deployでデプロイ

Cloud Runの移行手順
1. Dockerfileを用意してコンテナ化
2. Google Container Registryにアップロード
3. gcloud run deployでデプロイ
4. カスタムドメイン設定

  1. まとめ
    • コストを最優先するならFirebase Hosting
    • 動的な処理が必要ならCloud Run
    • 併用も可能(Firebase Hostingでフロント、Cloud RunでAPI)

結論として、以下のように使い分けるのが理想的:
• 静的なコンテンツをFirebase Hostingで提供
• バックエンドの動的処理はCloud Runに移行

この方法なら、App Engineよりも低コストで運用可能となる。

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