RAG (Retrieval-Augmented Generation)とLLMの未来を見据えた応用事例
2024年12月12日 10:37
RAGは、Retrieval-Augmented Generationの略称です。その名の通り、検索と生成を組み合わせることで、より高度な文章生成を可能にする手法です。自然言語処理の分野で注目を集めており、今後さらに進化が期待されています。
RAGは、大きく分けて2つの部分から構成されています。1つは、検索モデル、もう1つは生成モデルです。
まず、検索モデルでは、入力されたクエリに対して、関連性の高い文章を検索します。これは、従来の検索エンジンと同様の仕組みですが、RAGでは、その結果を次のステップで活用します。検索モデルでは、入力文の意図を理解し、それに適した関連性の高い文章を検索することが求められます。
次に、生成モデルでは、検索モデルで得られた文章をもとに、より自然な文章を生成します。検索モデルが入力文の意図を理解しているため、生成モデルはより適切な文章を生成することができます。これにより、より人間味のある文章が生成されることが期待されています。
RAGは、様々な分野で応用が期待されています。その1つが、自動要約です。
自動要約とは、長い文章を短く要約することを指します。これまでは、文章の重要度を計算する方法や、重要そうな文章を抽出する方法が用いられてきました。しかし、RAGでは、検索モデルで関連性の高い文章を検索し、生成モデルでより自然な文章を生成することで、より良い要約文が生成できる可能性があります。
また、RAGは、機械翻訳にも応用が期待されています。従来の機械翻訳では、単語や文節単位で翻訳していたため、不自然な翻訳文が多かったです。しかし、RAGでは、検索モデルで関連性の高い文章を検索し、生成モデルでより自然な文章を生成することで、より適切な翻訳文が生成できる可能性があります。
さらに、RAGは、QA(質問応答)システムにも応用が期待されています。従来のQAシステムでは、質問に対する答えを事前に用意する必要がありました。しかし、RAGでは、検索モデルで関連性の高い文章を検索し、生成モデルでより自然な文章を生成することで、より適切な答えを生成できる可能性があります。
RAGと同様に注目を集めているのが、LLM(Language Model for Retrieval)です。LLMは、BERTなどの言語モデルを用いて、検索と生成を同時に行う手法です。
LLMとRAGの最大の違いは、検索と生成を同時に行うかどうかです。LLMでは、検索と生成を同時に行うため、検索モデルと生成モデルの間に連携が必要です。一方、RAGでは、検索と生成を分けて行うため、検索モデルと生成モデルの間に連携が必要ありません。
また、検索方法も異なります。LLMでは、BERTなどの言語モデルを用いて、検索を行います。一方、RAGでは、検索エンジンのような従来の検索方法を用います。
さらに、データ量の面でも異なります。LLMは、大量のデータを用いて学習する必要がありますが、RAGは、既存の検索エンジンを利用することができるため、比較的少ないデータで学習することができます。
RAGは、検索と生成を組み合わせることで、より高度な文章生成を可能にする手法です。自然言語処理の分野で注目を集めており、様々な分野での応用が期待されています。また、LLMと比較すると、検索と生成を分けて行うことで、連携が必要なく、比較的少ないデータで学習することができるという特徴があります。
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