# 目次

1. 概要

2. Linux Swapとは？

   - 2-1. Swapの役割

   - 2-2. メモリ管理との関連性

3. Swap領域の構成

   - 3-1. SwapパーティションとSwapファイル

   - 3-2. Swapサイズの計画

4. Swapの設定

   - 4-1. Swapパーティションの作成

   - 4-2. Swapファイルの設定

   - 4-3. fstabによる自動マウント設定

5. Swap関連のパフォーマンス最適化

   - 5-1. スワップネスの調整

   - 5-2. Swapのモニタリング

6. Swap活用例と注意点

   - 6-1. Swapが有効なシナリオ

   - 6-2. Swap使用時の注意点

7. Swapとメモリ管理のベストプラクティス

   - 7-1. オーバーコミット設定

   - 7-2. メモリリークの防止

8. まとめ

## 1. 概要

Linuxのメモリ管理において、Swap領域は非常に重要な役割を果たします。しかし、適切に設定しないとパフォーマンスが低下する可能性があります。本記事では、Linux Swapの基本と、効率的に活用するための方法について詳しく解説します。

## 2. Linux Swapとは？

### 2-1. Swapの役割

Swapは、システムのRAMが不足した場合に一時的にディスク領域をメモリの代わりとして使用する機能です。これにより、物理メモリが足りない状況でもシステムを維持することが可能になります。

### 2-2. メモリ管理との関連性

Linuxカーネルは、メモリ管理の一環としてSwapを活用します。SwapはRAMの補完として機能し、メモリ不足時にシステムの安定性を維持します。

## 3. Swap領域の構成

### 3-1. SwapパーティションとSwapファイル

Swap領域には主に2種類があります。SwapパーティションとSwapファイルです。パーティションはディスクの特定の区画を使用する形式で、ファイルは既存のファイルシステム上に作成される形式です。

#### 図-1: SwapパーティションとSwapファイル比較

| 項目            | Swapパーティション   | Swapファイル       |

|-----------------|----------------------|--------------------|

| パフォーマンス  | 高い                 | やや低い            |

| 柔軟性          | 少ない               | 高い               |

| セットアップ容易性 | 難しい               | 簡単               |

### 3-2. Swapサイズの計画

推奨されるSwapサイズはシステムのメモリ量に依存します。一般に、RAMの1.5倍〜2倍とされますが、具体的にはシステムの利用状況に応じて調節が必要です。

## 4. Swapの設定

### 4-1. Swapパーティションの作成

1. パーティションツールを使用してSwap用パーティションを作成します。

2. mkswapコマンドでSwap領域を初期化します。

3. swaponでSwapを有効化します。

```bash

sudo fdisk /dev/sdX  # パーティション作成

sudo mkswap /dev/sdXn  # Swap領域初期化

sudo swapon /dev/sdXn  # Swap有効化

```

### 4-2. Swapファイルの設定

1. ddコマンドでSwap用のファイルを作成します。

2. ファイルをSwap領域として初期化します。

3. Swapを有効化します。

```bash

sudo fallocate -l 2G /swapfile

sudo chmod 600 /swapfile

sudo mkswap /swapfile

sudo swapon /swapfile

```

### 4-3. fstabによる自動マウント設定

再起動後もSwapを自動的に有効化するため、/etc/fstabファイルにエントリを追加します。

```bash

echo '/swapfile none swap sw 0 0' | sudo tee -a /etc/fstab

```

## 5. Swap関連のパフォーマンス最適化

### 5-1. スワップネスの調整

スワップネスとは、どれくらいの頻度でRAMからSwapにデータを移すかを示すパラメータです。デフォルト値は60で、値を低くすることでSwapを使用する頻度を減らせます。

```bash

sysctl vm.swappiness=10

```

### 5-2. Swapのモニタリング

Swappinessを適切に設定しても、Swap使用状況を常にモニターすることが重要です。freeコマンドやtopコマンドで確認できます。

```bash

free -h

top

```

## 6. Swap活用例と注意点

### 6-1. Swapが有効なシナリオ

- メモリを多数消費するアプリケーションを実行中でも、システムの安定性を維持する。

- RAMを増設できない環境で一時しのぎとして利用。

### 6-2. Swap使用時の注意点

Swap領域をディスク上に作成するため、ディスク性能が低い場合、スワップが頻繁に発生するとシステムが遅延する可能性があります。

## 7. Swapとメモリ管理のベストプラクティス

### 7-1. オーバーコミット設定

オーバーコミットは、プロセスマネージメントの一部です。メモリを実際のRAMが足りない状態で割り当てることを可能にします。/proc/sys/vm/overcommit_memoryで設定できます。

### 7-2. メモリリークの防止

アプリケーションがメモリを解放しない場合、Swapが過剰に使用されて性能が低下します。メモリリークの監視は重要です。

## 8. まとめ

LinuxのSwap領域は、効率的なメモリ管理に寄与します。Swapの設定やスワップネスの調整によって、パフォーマンスの最大化を図ることが可能です。適切な設定と監視を行うことで、安定したシステム運用が実現できます。

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）