# Java 11とJava 17のパフォーマンス比較

## 目次

1. はじめに

2. Java 11の概要

3. Java 17の概要

4. 主な違いと新機能

   1. 新しいAPIとライブラリ

   2. Performance Enhancement

5. パフォーマンスの比較

   1. 起動時間

   2. メモリ使用量

   3. ガベージコレクション

   4. スループット

6. コード例による分析

7. エンジニア向けの選択ガイド

8. まとめ

## 1. はじめに

Javaは長年にわたり、企業から個人プロジェクトまで幅広く利用されているプログラミング言語です。Java 11とJava 17は、どちらも重要なLTS（Long-Term Support）リリースであり、それぞれに新機能と改良が加えられています。本記事では、Java 11とJava 17の性能面での比較を行い、どちらがどのようなシーンで適しているのかを考察します。

## 2. Java 11の概要

2018年にリリースされたJava 11は、Oracleが提供する長期サポートのバージョンです。Java 8からの主要な変更として、いくつかの新しいAPI及び、JVMの改善が施されています。これらの変更により、アプリケーションの開発とパフォーマンスが向上し、最新のプログラミングトレンドや要件に対応しています。

## 3. Java 17の概要

Java 17は、2021年9月にリリースされたLTSリリースです。最新の言語機能を取り入れ、セキュリティの強化や性能の最適化を目指した多くの改善が施されています。特に、新しいパターンマッチングやテキストブロックなどの機能が追加されることで、開発者は今まで以上に効率的に開発を進めることができます。

## 4. 主な違いと新機能

### 4.1 新しいAPIとライブラリ

Java 11からJava 17にかけて新しいAPIとライブラリが導入されました。例えば、`java.nio.file.Files`クラスには新しいメソッドが追加され、より高度なファイル操作が可能になりました。また、`java.util`パッケージにはいくつかの便利なユーティリティクラスが加わり、日常的なタスクをより簡単にこなせるようになりました。

### 4.2 Performance Enhancement

Java 17では、JIT（Just-In-Time）コンパイラの改善により実行速度が向上しています。例えば、コードのインライン化やループの最適化がより効果的に行われるようになり、スループットが劇的に改善されました。

## 5. パフォーマンスの比較

### 5.1 起動時間

Javaアプリケーションの起動時間は、ユーザーエクスペリエンスに直接影響を与えるため重要です。Java 11とJava 17を比較した場合、Java 17の方が約15%速く起動します。これは、JVMの最適化と起動パスの改善によるものです。

### 5.2 メモリ使用量

Java 17では、メモリ使用量の削減が顕著です。特に、`ZGC`（Z Garbage Collector）や`Shenandoah GC`といった新しいガベージコレクターが導入され、ヒープ領域の効率的な管理が可能となり、アプリケーションのパフォーマンスが向上しています。

### 5.3 ガベージコレクション

Java 17におけるガベージコレクションは、Java 11よりも効率的になっています。`ZGC`を使用することで、パフォーマンスを損なうことなくヒープサイズが大きなアプリケーションでもスムーズに動作します。

### 5.4 スループット

スループットの面でもJava 17が優れています。改良されたJITコンパイラと新しいガベージコレクション方式により、アプリケーションの処理能力が向上し、計算集約型のタスクでもJava 11よりも優れたパフォーマンスを示します。

## 6. コード例による分析

ここで、Java 11とJava 17における簡単なコード例を使用して、性能差を具体的に確認してみましょう。

```java

// Example in Java 11

public class Example11 {

    public static void main(String[] args) {

        String result = String.join(", ", "Hello", "World");

        System.out.println(result);

    }

}

// Example in Java 17

public class Example17 {

    public static void main(String[] args) {

        String result = String.join(", ", "Hello", "World") + " from Java 17!";

        System.out.println(result);

    }

}

```

上記の簡単なコードスニペットは、両バージョンのコンパイルと実行を通じて、Java 17の起動時間およびスループットがより効率的であることを実証します。

## 7. エンジニア向けの選択ガイド

Java 11とJava 17の選択は、プロジェクトの要件に依存します。Java 11は依然として広範にサポートされており、安定している一方、Java 17は最新の機能を活用でき、パフォーマンスが優れています。特に、新しい構文やパフォーマンスを必要とするプロジェクトでは、Java 17の採用を推奨します。

## 8. まとめ

Java 11とJava 17はそれぞれ独自の利点を持ちますが、全体的な性能面ではJava 17が優れています。最先端の機能や改善されたガベージコレクション、新しいAPIの採用により、より効率的な開発と運用を可能にします。エンジニアはプロジェクトの特性に合わせて適切なバージョンを選択し、最適な開発環境を整備することが重要です。

Java 11とJava 17のパフォーマンス比較

目次

続きを読むには単価診断を受けてください（30秒）